株式会社アクア

アクアは GeneXus をどう使う?

2022年02月28日 辰巳 好史

技術動向

 皆さま、 アクアの強み のページにあります GeneXusでオーダーメイドのシステムを高速に実現 はご覧いただけましたでしょうか。アクアでは、高速開発の実現に GeneXus を利用し、初期開発のコスト削減だけでなく、お客様の業務の変化に追従しながらシステムの最適化を確保する開発をご提供いたします。
今回は、この GeneXus の特徴やアクアがどう利用しているかについて、触れてみたいと思います。

GeneXus とは

 GeneXus は、1989年、ウルグアイ共和国大学のブレオガン・ゴンダ(Breogan Gonda)教授により、数理論理学と知識工学を応用したソースコード生成ツールとして開発されました。
GeneXus は、GeneXus S.A.社の製品です。
GeneXus S.A.社(創設当時はArtech Consultores)は、1988年に創設され、モンテビデオ (ウルグアイ) を拠点に、米国、メキシコ、ブラジル、イタリア、中国、日本、各国に支社を開設しています。
GeneXus は、8,700社以上の企業に導入されています。

GeneXus の特徴

 GeneXus は、プログラムだけでなく、データベースの定義やデータへのアクセスも全て自動生成します。

「業務仕様を入力すると、推論により実現方法を含む設計情報を自動的に生成し、希望するIT環境用のシステムを自動的に生成する」

この文は、ジェネクサス・ジャパン株式会社代表取締役社長大脇氏著『ジェネクサスが生まれた背景と目的』(ジェネクサス・ジャパン社のサイトからダウンロード可能)に、ゴンダ教授より説明のあった技術として記述されています。
同文書に次の記述もあります。

業務システムの構造は、「約20%が業務内容に関する記述で、約80%が各IT技術に基づく実現方法に関する記述」と言われています。
~ 中略 ~
GeneXus は業務の記述(データの記述が70%、業務手続きの記述が30%)から実現方法の記述(設計、プログラム、データベース)を推論により自動的に生成します。GeneXus を利用すると、これらの実現方法の記述をする必要はありません。業務内容の記述をするだけで、業務システムの構築が可能となります。

このような考えを基に開発されたことが、 GeneXus の大きな特徴と言えるのではないでしょうか。
この特徴を活かせば、「ビジネスのノウハウを蓄積し成長させる」そんなシステムを構築することができます。

評価が低いこともある?

 GeneXus について、ときどき次のような言葉を耳にすることがあります。

  • 思ったような動作を実装することができない。
  • GeneXusでどう記述すればよいかを調べるより自分でソースコードを記述した方が速い。
  • ローカル変数が使えない。

その評価が間違いではない状況もあるのかもしれませんが、ほとんどの場合、業務仕様とは異なるところで言われているように思われます。
 一つの機能に様々な仕様を実装するシステムは、その機能をどう使うかが業務仕様となり、属人的で、マニュアルに依存するシステムとなります。こういったシステムの構築に利用される場合は、評価が低くなるかもしれません。
また、
 GeneXus は要件定義や設計の工程で使うべきであり、プログラミングの工程で使用したり、プログラマーの視点で見たりすると低評価になりやすいでしょう。

アクアはどのように利用する?

 お客様の業務要件によって、 GeneXus の特徴を活かした仕様をご提案します。もし、お客様から画面の詳細な動きについてご要望があり、そのまま実現すると GeneXus の特徴を損なうと考えられる場合、業務仕様に沿った別の実現方法か、特別に必要と考えて実装するかを判断、または選択肢としてご提案します。GeneXus の特徴を活かしたアクアの提案をきっかけに、ご要件にはなかった業務改善へ繋がったと喜んでいただいた例もあります。

 それでも、お客様からご要件をお聞きするとき、アクアは GeneXus の利用が前提とは考えていません。
クラウド上には様々なサービスが存在しており、お客様がシステム化を望まれる業務にはそれらのサービスを利用可能な(その方が業務改善に繋がる)場合もあれば、お客様の業務に合うサービスがない(合わせるべきでない)場合もあります。あるいはノーコード開発が可能な場合もあるかもしれません。特殊なご要件の場合や、業務システムでないなどの場合は、スクラッチ開発が必要なこともあります。
 アクアでは、お客様のご要件に応じて、複数の技術を連携したハイブリッドなシステムの構築も可能です。

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